web予約
LINE
アクセス

日々の不調・健康相談

冬の眠気対策:質の良い睡眠をとるための夜の過ごし方

冬の朝、布団から出るのが辛かったり、日中に強い眠気を感じたりすることはありませんか?「冬だから仕方ない」と諦めてしまいがちですが、実は冬特有の環境(低気温・低湿度・日照時間の短縮)が私たちの睡眠リズムを乱していることが分かっています 。

本記事では、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」や最新の医学研究に基づき、冬の睡眠の質を根本から改善するための具体的な方法を解説します 。当院院長の監修のもと、科学的根拠(エビデンス)に基づいた正しい知識をお届けしますので、安心してお読みください。

冬の睡眠改善において、最も信頼性の高い方法の一つが「受動的体温加温(PBH)」、つまりお風呂で体を温めることです 。

お湯の温度は「約42.5」がベスト

複数の研究データをまとめた解析(メタ解析)によると、就寝1〜2時間前約42.5℃のお湯に10分以上浸かることが推奨されています 。(* 42℃以上では血圧変動のリスクがあります。)

なぜこれが効果的なのでしょうか?お風呂で一時的に上がった「深部体温(体の内部の温度)」が、お風呂上がりに手足から熱を逃がして急激に下がっていく過程で、脳の睡眠中枢が刺激され、スムーズな入眠を促してくれるからです 。この方法は、加齢によって体温調節機能が低下しがちな高齢者の方にも非常に有効であることが証明されています 。

「1日8時間は寝ないと健康に悪い」と思っていませんか?実は、現代の睡眠医学ではこの「一律8時間」という考え方は否定されています 。

年齢に合わせた「適切な睡眠時間」を知る

必要な睡眠時間は加齢とともに変化します 。

  • 成人: 6時間以上の確保が目安 。6時間未満になると、肥満や生活習慣病、うつ病のリスクが高まることが報告されています 。
  • 高齢者: 布団の中にいる時間を8時間以内に制限することが推奨されます 。無理に長く寝ようとすると、かえって眠りが浅くなり、夜中に目が覚める原因になるからです 。
  • 子ども: 小学生は9〜12時間、中高生は8〜10時間が推奨されています 。

無理に長時間眠ろうとするよりも、自分に合った時間を「一貫したリズム」で確保することが、日中の眠気改善への近道です

冬の睡眠不足は、寒さだけでなく「乾燥」や「空気の汚れ」も関係している可能性が示唆されています 。

湿度と空気の管理

最新の研究(2025年)では、冬の低い湿度とPM2.5などの汚染物質が組み合わさることで、深い睡眠が減り、夜中に目が覚めやすくなることが指摘されています 。寝室の湿度は**40〜60%**に保ち、空気清浄機を併用することが、心地よい目覚めにつながります 。

食生活の工夫

  • 地中海食のすすめ: 野菜、魚、オリーブオイルを中心とした「地中海食」に近い食事パターンは、良好な睡眠と関連があることが分かってきました 。
  • トリプトファン: 乳製品などに含まれるアミノ酸「トリプトファン」は、睡眠ホルモン(メラトニン)の材料になります 。
  • 控えるべきもの: 寝酒(アルコール)は寝付きを良くすると思われがちですが、実際には睡眠を細切れにし、質を著しく低下させます 。

Q. 冬になるといくら寝ても眠いのですが、病気ですか?

A. 冬に睡眠時間が延びたり、日中の強い眠気を感じたりするのは「季節性感情障害(SAD)」の特徴でもあります 。客観的な調査では、睡眠時間は長くても質が悪く(断片化)、リズムが後ろにずれている(フェーズディレイ)ケースが多いです 。日中にしっかり日光を浴びることで、このズレを修正する効果が期待できます 。

Q. 寝る前のスマホはやはり良くないのでしょうか?

A. はい、就寝1〜2時間前は強い光を避けるのが理想的です 。強い光は体内時計を遅らせ、入眠を妨げます 。ブルーライトカット眼鏡の効果については、まだ科学的に確実な結論は出ていませんが、まずは画面を見る時間を減らし、暖色系の暗めの照明で過ごすことをおすすめします 。

Q. 寝る前の運動は逆効果ですか?

A. 激しすぎる運動は脳を興奮させ、睡眠ホルモンの分泌を遅らせる可能性があります 。一方で、適切な強度の運動は深い睡眠を安定させるという報告もあります 。ストレッチなどの軽いリラクゼーションを習慣にすることをおすすめします 。

Q. 冬にいくら寝ても眠いのはなぜですか?

A. 冬は日照時間が短いため体内時計が後ろにずれやすく、さらに寒さや乾燥で眠りが浅くなる(断片化する)ことが原因の一つです。日中に日光を浴び、夜は適切な温度での入浴で深部体温を調節することが改善に役立ちます。

Q. 寝る前のお風呂は何℃が良いですか?

A. 研究データに基づくと、就寝1〜2時間前に約42.5℃のお湯に10分以上浸かることが最も効果的とされています。一時的に上がった体温が下がる過程で、スムーズに入眠しやすくなります。

Q. 8時間寝ないと健康に悪いですか?

A. いいえ、必要な睡眠時間は年齢によって異なります。成人は6時間以上が目安ですが、高齢者の場合は長く寝ようとしすぎるとかえって眠りが浅くなるため、床上時間を8時間以内に制限することが推奨されています。


冬の眠りを健やかに保つポイントは、**「42.5℃の入浴」*「年齢に合わせた睡眠時間の確保」「室温・湿度の調整」**の3点です 。これらは複数の信頼できる研究(メタ解析やガイドライン)でその効果が裏付けられています 。(* 42℃以上では血圧変動のリスクがあります。)

「本記事は医師の医学的知見をもとに作成しています」。

参考文献 (References)
  1. 健康づくりのための睡眠ガイド 2023 / 厚生労働省
  2. Hot-water bathing before bedtime and shorter sleep onset latency… / Tai Y, et al.
  3. Before-bedtime passive body heating… Systematic review / Haghayegh S, et al.
  4. Sleep in seasonal affective disorder / PMC
  5. Effects of thermal environment on sleep and circadian rhythm / PMC
  6. Impact of PM2.5, relative humidity, and temperature on sleep quality…
  7. Efficacy of blue-light blocking glasses… Meta-analysis / Frontiers in Neurology …(中略)…
  8. Mattingly, S., et al. (2021). The effects of seasons and weather on sleep patterns. NPJ Digital Medicine.
  9. Belmon, L., et al. (2019). What are the determinants of children’s sleep behavior? Sleep Medicine Reviews.
  10. Irish, L., et al. (2015). The role of sleep hygiene in promoting public health. Sleep Medicine Reviews.
  11. Scott, A., et al. (2021). Improving sleep quality leads to better mental health. Sleep Medicine Reviews.
  12. Bonnar, D., et al. (2018). Sleep Interventions Designed to Improve Athletic Performance. Sports Medicine.
  13. Redeker, N., et al. (2019). Workplace Interventions to Promote Sleep Health. JCSM.
  14. Wilson, K., et al. (2022). Diet Composition and Objectively Assessed Sleep Quality. JAND.
  15. Godos, J., et al. (2024). Mediterranean Diet and Sleep Features. Nutrients.
  16. Sejbuk, M., et al. (2022). Sleep Quality: A Narrative Review on Nutrition, Stimulants, and Physical Activity. Nutrients.
  17. Ko, H., et al. (2025). Effects of programs on sleep improvement in shift-work nurses. BMC Nursing.

本記事でご紹介した内容は、現在の医学研究では

★★★★★「非常に信頼性の高い情報」と位置づけられています。

特に厚生労働省のガイドラインや複数の論文を統合した解析(メタ解析)に基づいた内容を中心としています。ただし、個人の体質や持病の状態によって最適な方法は異なるため、気になる症状がある場合は医師にご相談ください。

※評価は研究の量と質をもとに、院長監修のもとで整理しています。

関連記事

コメント

この記事へのトラックバックはありません。