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花粉症?それとも風邪?見分け方

「鼻水やくしゃみが止まらないけれど、これは風邪? それとも花粉症?」 そんな悩みをお持ちの方は非常に多いのではないでしょうか。

アレルギー性鼻炎(花粉症など)は世界で約4億人もの人々が悩まされている病気です 。一方で、ウイルスによる風邪(上気道炎)は、大人は年に2〜4回、お子様は6〜8回もかかると言われています

この二つは症状がよく似ているため、自己判断が難しいのが現状です 。しかし、原因が根本的に違うため、間違った対策をすると症状が長引いたり、体に負担をかけたりすることもあります 。本記事では、当院院長の監修のもと、最新の医学研究に基づいた「風邪と花粉症の正しい見分け方」を分かりやすく解説します。

まず、体の中で起きている「原因」の違いを知ることが大切です。

花粉症(アレルギー性鼻炎)の仕組み

花粉などの本来害のない物質を、体が「敵だ!」と勘違いして攻撃してしまう状態です(IgE介在性免疫応答)

  • ヒスタミンという物質: 鼻の神経を刺激して、激しいかゆみ連続するくしゃみを引き起こします 。
  • 鼻水: 血管から染み出た成分が主なので、透明でサラサラしているのが特徴です 。

風邪(ウイルス性上気道炎)の仕組み

200種類以上のウイルスが鼻やのどの粘膜に感染して起こります

  • 自然免疫の働き: ウイルスと戦うために「好中球」という細胞が集まってきます 。
  • 鼻水の変化: 最初は透明ですが、数日経つとウイルスと戦った細胞の死骸や酵素が混ざり、黄色や緑色のネバネバした鼻水に変わります 。

臨床現場で、信頼性の高い研究結果 に基づいて重視されている見分け方は以下の4点です。

① 「かゆみ」があるかどうか

これが最も重要な判断基準の一つです。

  • 花粉症: 目のかゆみや充血、鼻の奥・のどのかゆみを強く感じます 。
  • 風邪: 目がかゆくなることは非常に稀です 。

② 症状が続く「期間」

  • 花粉症: 花粉が飛んでいる間(数週間〜数ヶ月)ずっと続きます 。また、毎年同じ季節に繰り返すのも特徴です 。
  • 風邪: 通常は7〜10日以内に自然に治ります 。

③ 鼻水の「色」と「性質」

  • 花粉症: 常に透明で水のようなサラサラした鼻水です 。
  • 風邪: 途中で黄色や緑色に変化し、粘り気が出てきたら風邪の可能性が高いです 。

④ 「熱」や「全身のだるさ」

  • 花粉症: 高熱が出ることはまずありません 。
  • 風邪: 発熱、強いだるさ、筋肉痛、のどの痛みが目立ちます 。

「たかが鼻水」と放置したり、間違った薬を飲んだりすることにはリスクがあります。

  • 抗生物質の使いすぎを防ぐ: 風邪や花粉症に抗生物質は効きません 。不適切な使用は、薬が効かない「耐性菌」を増やす原因になります 。
  • 生活の質(QOL)を守る: 花粉症を「繰り返す風邪」だと思って放置すると、喘息が悪化したり、睡眠不足で仕事や勉強の効率が落ちたりします 。
  • 新しい病気への対応: 最近では、血液検査では陰性でも鼻の粘膜だけでアレルギーが起きる「局所アレルギー性鼻炎(LAR)」や、COVID-19(新型コロナウイルス)との鑑別も重要になっています 。


Question: 花粉症か風邪か自分で判断する方法はありますか?

Answer: 目のかゆみがあるか、鼻水が10日以上透明でサラサラしたまま続くかが大きな目安です。目のかゆみがあれば花粉症の可能性が高く、鼻水が黄色く変わって数日で治るなら風邪の可能性が高いです。

Question: 花粉症は何科に行けばいいですか?

Answer: 耳鼻咽喉科(耳鼻科)やアレルギー科、内科の受診が一般的です。特に鼻やのどの症状が強い場合は、鼻の粘膜の状態を直接確認できる耳鼻咽喉科への受診をおすすめします。

Question: 風邪だと思って放置しても大丈夫ですか?

Answer: 単なる風邪なら通常1週間ほどで治りますが、もし花粉症だった場合、放置すると喘息の悪化や睡眠障害を招くことがあります。症状が長引く場合は放置せず、医療機関を受信しましょう。

Question: 毎年この時期に鼻水が出ますが、検査を受けたほうがいいですか?

Answer: はい、おすすめします。アレルギー検査(血液検査や皮膚テスト)で原因物質を特定することで、適切な回避策や治療(抗ヒスタミン薬など)が可能になります 。

Question: 花粉の量が多い日は、症状もひどくなりますか?

Answer: 最新の研究(EPOCHAL研究など)で、周囲の花粉飛散量と症状の重さは直接関係することが証明されています 。飛散量が多い日は特に注意が必要です。


「風邪かな?」と思っても、目のかゆみがあったり、2週間以上長引いたりする場合は、花粉症などのアレルギーかもしれません。

本記事は当院院長の監修のもと、信頼性の高い医学的知見をもとに作成しています。自己判断で市販薬を使い続ける前に、一度専門の医療機関(耳鼻咽喉科やアレルギー科)を受診し、ご自身に合った正しいケアを見つけることが、健やかな毎日への一番の近道です。

本記事でご紹介した内容は、現在の医学研究では

★★★★★「非常に信頼性の高い情報」と位置づけられています。

国内外の主要なガイドラインや、複数の系統的な研究(システマティックレビュー)によって、症状による見分け方の有用性が裏付けられています。ただし、個々の患者様の状態により診断が異なる場合があるため、気になる症状がある際は必ず医師の診察を受けてください。

※評価は研究の量と質をもとに、院長監修のもとで整理しています

参考文献(References)

  • Luyten, A., et al. (2024). Ambient pollen exposure and pollen allergy symptom severity in the EPOCHAL study. Allergy, 79, 1908 – 1920.
  • Wheatley, L., & Togias, A. (2015). Allergic rhinitis. The New England journal of medicine, 372(5), 456-63.
  • Gökkaya, M., et al. (2020). Defining biomarkers to predict symptoms in subjects with and without allergy under natural pollen exposure. The Journal of allergy and clinical immunology.
  • Liva, G., Karatzanis, A., & Prokopakis, E. (2021). Review of Rhinitis: Classification, Types, Pathophysiology. Journal of Clinical Medicine, 10.
  • Scadding, G. (2015). Optimal management of allergic rhinitis. Archives of Disease in Childhood, 100, 576 – 582.
  • Skoner, D. (2001). Allergic rhinitis: definition, epidemiology, pathophysiology, detection, and diagnosis. The Journal of allergy and clinical immunology, 108(1 Suppl), S2-8.
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