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正月太りを解消!内科医が教える効率的な代謝アップ法

正月明け、鏡を見て「体が重くなった」「服が少しきつくなった」と感じてはいませんか?冬の体重増加は、単なる食べ過ぎだけでなく、寒さや活動量の低下といった複数の要因が重なって起こる現象です。

当院では、患者様が健康的に元の体型を取り戻せるよう、最新の医学的知見に基づいた「正月太り解消」のポイントをまとめました。本記事は当院院長の監修のもと、信頼性の高い情報をもとに作成しています。

1. 統計的に証明されている「冬の体重増加」

最新の研究報告(メタ解析)によると、11月後半から1月前半の約6〜8週間で、成人は平均0.4kgから0.9kg体重が増加することが確認されています 。

厄介なのは、この増加分が休暇後も完全に解消されず、そのまま定着しやすいという点です 。特に肥満傾向のある方は、元の体重に戻りにくいことが示唆されているため、早めの対策が重要です 。

2. 「代謝の衰え」は勘違い?

「年齢とともに代謝が落ちたから太る」と思われがちですが、実は20歳から60歳までの間、ヒトの代謝率は極めて安定していることが科学的に証明されました 。

つまり、中年期の体重増加は「生物学的な衰え」ではなく、日々の身体活動の減少や筋肉量の低下、そして食べ過ぎといった「生活習慣の変化」が主な原因なのです 。

正月太りを解消するためには、単に食べる量を減らすだけでなく、エネルギーを効率よく燃やす「代謝の仕組み」を活用するのが近道です。

① 「タンパク質優先」の食事で熱を生む

食事をすると、体内で消化・吸収のためにエネルギーが使われ、体温が上がります。これを「食事誘発性熱産生(DIT)」と呼びます 。

特にタンパク質のエネルギー消費効率は非常に高く、炭水化物や脂質を大きく上回ります 。

  • タンパク質: 20〜30%
  • 炭水化物: 5〜10%
  • 脂質: 0〜3%

毎食20g以上のタンパク質(肉、魚、卵、大豆製品など)を意識して摂ることで、筋肉を守りながら効率よく脂肪を燃やすことができます 。

② 「NEAT(ニート)」を増やす意識を

特別な運動だけでなく、家事や通勤、階段の上り下りといった「日常生活の中の動作(NEAT:非運動性活動熱産生)」が、1日の総消費エネルギーに大きく影響します 。

冬は寒さで活動量が低下し、通常の80%程度まで減ってしまうという報告もあります 。まずは「1日8,000歩以上」を目安に、こまめに体を動かすことから始めましょう 。

③ 食事の時間を「8〜10時間」に収める

「時間制限喫食(TRE)」と呼ばれる方法が注目されています。これは、1日の中で食事を摂る時間を8〜10時間以内に収め、それ以外の時間は胃腸を休める方法です 。体内時計が整い、インスリンの働きが改善されることで、脂肪が燃えやすい体質へと導いてくれます 。


Q. 激しい運動を毎日しないと痩せませんか?

A. いいえ、必ずしも激しい運動である必要はありません。 最新の知見では、激しすぎる運動をすると、その後の日常生活で無意識に活動量が減ってしまい、トータルの消費エネルギーが期待ほど増えない可能性も指摘されています 。まずは「歩く」「立つ」といった日常の動き(NEAT)を増やすことが優先されます 。

Q. 寒冷地の方が痩せやすいというのは本当ですか?

A. 理論上は、寒冷環境(17〜19℃程度)に身を置くと「褐色脂肪組織」という脂肪を燃やす細胞が活性化されることが知られています 。ただし、実生活でそれだけで大幅に痩せるのは難しいため、あくまで「適切な室温管理(19〜20℃)」を心がける程度の補助的なものと考えてください 。

Q. どうしても自力で痩せられない場合は?

A. 生活習慣の改善だけでは管理が難しい重度の肥満などの場合には、医療機関での治療が検討されることもあります。近年ではGLP-1受容体作動薬などの新しいお薬による治療もエビデンスが確立されつつありますが、必ず医師の管理下で適切な診断を受けることが必要です 。

Q. 正月太りがなかなか戻らないのはなぜですか?

A. 冬の体重増加は、高カロリーな食事と活動量の低下が重なり、平均0.4〜0.9kg増えることが報告されています。この増加分は休暇後も定着しやすく、特に筋肉量の低下や生活習慣の変化が原因で「代謝の効率」が落ちていることが考えられます。

Q. 正月太りを解消するのに、激しい運動は必要ですか?

A. 激しい運動よりも、まずは家事や通勤などの「日常の動き(NEAT)」を増やすことが効果的です。1日8,000歩を目安に動くことで、総消費エネルギーを底上げできます。無理な運動は長続きせず、反動で活動量が減ることもあるため注意が必要です。

Q. 食事で気をつけるべきポイントはありますか?

A. タンパク質を優先的に摂取しましょう。タンパク質は食事による熱産生(DIT)が非常に高く、食べるだけでエネルギーを消費しやすい栄養素です。また、食事の時間を1日8〜10時間以内に収める方法(TRE)も代謝改善に有効とされています。


正月太りは、一時的な生活リズムの乱れによるものです。極端な絶食や無理な運動はリバウンドを招く原因(代謝適応)となるため 、まずは以下の3点を意識してみてください。

  1. タンパク質をしっかり摂る
  2. こまめに歩く・動く
  3. 規則正しい食事時間を守る

体調に不安がある場合や、健康的に減量を進めたい方は、ぜひ当院へお気軽にご相談ください。

監修:あおぞらクリニック 院長 医師

本記事でご紹介した内容は、現在の医学研究では

★★★★★「非常に信頼性の高い情報」と位置づけられています。

正月太りの実態や、年齢による代謝の変化、タンパク質摂取の効果などは、多くの高品質な研究(メタ解析や大規模調査)によって証明されています 。 ただし、時間制限喫食などの新しい手法や個別の薬物療法については、体質や持病によって適さない場合もあるため、実践にあたっては医師のアドバイスを受けることをお勧めします。

参考文献(References)

[1] Abdulan, I., et al. (2023). Winter Holidays and Their Impact on Eating Behavior—A Systematic Review. Nutrients, 15.

[2] Rupasinghe, H., et al. (2016). Phytochemicals in regulating fatty acid β-oxidation. Pharmacology & therapeutics, 165.

[3] Guerrero-Magaña, D., et al. (2024). Interventions for the prevention of weight gain during festive periods. Obesity Reviews, 26.

[4] Vasim, I., et al. (2022). Intermittent Fasting and Metabolic Health. Nutrients, 14.

[5] Blüher, M., et al. (2023). New insights into the treatment of obesity. Diabetes, 25.

[6] Véniant, M., et al. (2024). A GIPR antagonist conjugated to GLP-1 analogues promotes weight loss. Nature Metabolism, 6.

[20] Pontzer, H., et al. (2021). Daily Energy Expenditure through the Human Life Course. Science, 373.

[36] 日本肥満学会. (2022). 肥満症診療ガイドライン2022.

[38] 厚生労働省. (2023). 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023.

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